2020年06月25日 16:59

KOJO Keyaguをもっと楽しむ方法

私が以前書いたレビュー記事はこちら

基本的に音に対する評価はこの時から大きく変わっていないです。



Keyaguの頭売りがはじまる

来る6月26日、ついにKeyaguの頭売りが開始される。
通常版、コラボケーブル版のKeyaguが7~8万円の値段なところから、一気に5万円弱の値段となりお求めやすくなる。
税抜き4万5千円という価格設定はメーカーの本気を感じさせてくれる本気の価格設定に思える。
個人的にはKeyaguは少しクセのある音と特徴を持っているので最初の一台にはオススメしづらいと感じている。
なので、7~8万円は高かったけど5万円だったなら何とかギリギリ購入できる…くらいの方は一度よく試聴をして自分にKeyaguの音が合うかをしっかり再確認してから購入して欲しいと思う。
※あくまで知らない方にオススメしづらいというだけで、気に入っていて欲しいと思っている方は是非手にして欲しい


サブ機にオススメ
逆にある程度高額なイヤホンをお持ちで、ケーブルやイヤピなんかも幾つか揃えていて遊びの効くポタオデ環境にある方には是非オススメしたいと思う。
遊びの効く、お手持ちのイヤホンとは全くキャラクターの被らない個性的なイヤホンを5万円弱の価格で手に出来るのは中々お得感があると思う。
是非手にとってお試しいただきたいのだが、前述の通りクセが強いイヤホンなので色々知っておくともっと楽しめるかと思った次第。


Keyaguの特徴
イヤピやケーブルによってかなり音に変化があり、それをイヤホンがかなりポジティブに受け止めるので最適解がなく、それぞれに適した様々な音を鳴らすのがKeyaguだと思っている。
逆にイヤピもケーブルも標準構成が絶対良い!という方には合わない可能性は大きい。

前置きが長くなったが、このKeyaguというイヤホンの特徴を表すと、
●高域の伸びが凄いという人もいる
●中域の表現が凄いという人もいる
●低域の濃さが凄いという人もいる
という一体どれやねん!ってなる程に評価も人それぞれなのだ。

ひとえにこの理由は、Keyaguは全部よく出るのが理由だと思っている。
私が一番初めにKeyaguを試聴した際は純正ケーブルでシリコンイヤピだった。
この組み合わせは“刺さる”と表現する人も多いが、めちゃくちゃ元気な音なのだ。
ローゲインで聴いてもハイゲインで聴いているんじゃないかってくらい上も下も良くでる。
ここで合わないな、って思ってしまう方も多いのではなかろうか。
最初に書いた“クセがある”といったクセがこれだ。


クセのある音
Keyaguはとても濃厚なサウンドで、高域の伸びがよく、中域の表現力もよく、低域に独特の響きを持っていて、楽器の表現力なんかが素晴らしい。
高域が素晴らしく低域に響きがあるので弦の響きから、ドラムのバス音まで生の楽器のように表現力豊かに鳴らしてくれる。
ただ全部が凄い状態で聴くと流石に万人受けは難しいだろう。
なのでイヤピやケーブルを使って自分好みに抑えるところは抑えて、伸ばすところは伸ばして音を整えてあげるととても良い仕上がりになると考えている。


最初に試聴する時オススメの構成
Keyaguを試聴する時にまずオススメしたいのが、Keyaguにもセットで同梱されているCrystal Tipsだ。
Keyaguのもつ少々甲高く煩く感じがちな高音を美しさと伸びの良さを損なわずに抑えてくれる。
加えて多芯やバランス接続をすることで音場を広げつつハイとローの深度を少し下げて上げると大分聴きやすくなる。
ただ、Crystal Tipsは低域を弱くし過ぎる上に少し濁らせてしまうのでもったいない。
後はご自身で様々なイヤピで試してみると良い。
基本シリコンはキンキンと鳴って聴こえやすいと思ったほうが良いだろう。


何故わざわざ手間をかけて構成を考えなければならないか
Keyaguは何故高域、中域、低域それぞれにいいという人がいるか、それは全部良く出るからだと思う。
そう、全部よく出るのでどんなイヤホンにも化ける事ができる。
ただそのまま全部が元気よく出ている状態だと聴き疲れしやすい音ともとれてしまう。
そこで自身にあった音に仕上げる作業を行っていくと良いのではないかと思っている。
高音を特化したい人は低音を少し抑え、低音を特化したい人はその逆だ。
そうする事で個人個人にベストなKeyaguがあると思っている。


両面性を持つKeyaguの持つ独特なサウンド
Keyaguの持つ低音の独特な響きは真鍮製のハウジングによる響きによって生まれていると考えられる。
響きによって生まれる反響音、残響音の様な物は柔らかい暖色系の音をイメージしやすい。
ただ、Keyaguのドライバーはスーパーエンジニアリングプラスチックというとても軽くて固く、内部損失の高い素材で出来ている。
これはあのSTAX等のヘッドホンにも使われている素材だそうだ。
ドライバーの特徴からKeyaguの持つ本質的な音は寒色系でとても硬質的なのだ。
その硬質的な音を真鍮ハウジングで響かせて伸びのよく美しい高音と、寒色系且つ独特なやわらかい響きをもった深い低音を両立している。



個人的なオススメ構成
個人的なオススメはKeyaguの持つ元気過ぎる高音をある程度抑えつつ、音場を広げて更にKeyaguのもつ独特な響きを更に伸ばしてくれる、みじんこコラボケーブルセットのTAOFC線はかなり相性が良い。
高域を殺さずに低域を活かすKeyaguの為にあるような線材とすら感じさせてくれる。
また、イヤピースも中々難題となってくる。
Crystal Tipsは無難ではあるのだが、やはりどうしても低域が惜しい。
シリコン系は高域がキツくなりがち。
それよりもシリコンの問題点は低音が膨らみやすい事だ。
低音好きの方はそれでいいかもしれないが膨らんだ低音は柔らかさを帯びてしまう。
そこで私の出した結論はシリコンイヤピを普段使っているサイズよりワンサイズ落として使う事だった。
(S,MS、Mみたいなサイジングの場合中間サイズは飛ばしてS←Mのイメージ)
本来イヤピは密着した方が良いとされているが、Keyaguは多少ちゃんと密着していないくらいの方が抜けが良く聴きやすいバランスになったりもする。
音が適度に抜ける事で、キンキンしていた高音が少し抑えられてボンボンいってた低音がスッキリする。
真に深い音だけが鼓膜に届くようになる。
サイズが合っていないイヤピを使うとイヤホンは本来の音や解像感を発揮できない。
しかしKeyaguにおいては合ってないくらいでもしっかりその音をダイレクトに聴くことが出来る。
因みにオススメのイヤピはコレ

ZERO AUDIOのZH-EP4である。
決して高くないので試しに使ってみていただきたい。
もちろんサイズはいつものサイズからワンサイズ落としたものをチョイスしてみて欲しい。


最後に購入前に気をつけたいところ
ここまで良い面を主にご紹介してきたが、最後に購入にあたって気をつけて欲しい事を書いておく。
まず、Keyaguは真鍮製のハウジングの為に緑青(緑色のサビ)が発生しやすい。
夏場などは手入れが必要になるだろう。
同じくみじんこさんのコラボケーブルも銅と鉛の混合栓の為か緑青が発生しやすい。
また、Keyaguは真鍮製むき出しではなく薄くコーティングが施されてある。
このコーティングはサビを防止する役割もあるのだが、残念ながら剥げやすい。
少しぶつけたりするとそこから剥がれて広がってしまう。
気を使って運用するか、多少のことは諦めて使うくらいの気持ちが必要な気はしている。
(私は気を使わない派)
また、当初からKeyaguのMMCXの接続不良がTwitter上でも問題視されていた。
コレに対してメーカーはスリットの入った対策版のMMCXを用いる事で現在は解決させている。
ただ純正またはコラボケーブル(コラボケーブルも同対応済)以外のケーブルを使う際は若干相性が発生してしまう場合があるので注意が必要となる。


以上を持って、是非ともKeyaguを楽しんでもらいたいと思う。


おまけ


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